『スパマロット』観劇記録2012/01/15 16:05

昨日、『スパマロット』の日本公演を観てきました。

『スパマロット』は私の中でかなりお気に入りの舞台で、ブロードウェイ、ウエストエンド、と何度も本場のステージを観てきています。このため、そのデキと比較しての感想ですので、辛口評価になります。

まず良かった点
・原作(ブロードウェイの舞台)にわりと忠実
・ミュージカル畑じゃない役者さん使って頑張ったね。
・戸次さんの「勇敢なロビン」は良かった
・彩吹さんの「泉の女神」も良かった。さすがヅカ出身。歌唱力もあるし、ミュージカルステージの魅せ方を判ってらっしゃる。
・ちゃんとオケピ用意して、生演奏だった。(録音を覚悟してた)
・ユダヤ人ネタの所を、上手に○流ネタにアレンジしたのは評価。

残念だった点
・原作に忠実であるだけでなく、ギャグやボケの部分に福田さんらしい『間』や『ノリ』を追加で盛ったのは良いが、そう言う部分を増やすなら、どこか削りましょう。でないと、原作ステージでは、役者どうしがバンバン会話をたたかわせてその勢いでどっと客席が笑う、という「良い勢い」があった筈なのに、このステージは各ギャグが間延びした感じになっており観てる客がどこから笑って良いのか判らず、疲れる。 ま、要は『くどすぎる』。
・せっかくオケピで生演奏用意したのだから、最初の曲「Tuning」でトランペットのボケに対して指揮者が発砲するところも、ちゃんと再現すれば良かったのに!!! 勿体ない!!
日本のオケピって深いから、客席から指揮者が見えないせいかもしれないけど、ここのシーンだけ、台の上に立つなど、ここが『ボケ』なんですよ!って判るようにアピールすべきでした。
音だけで銃声がしても、観客は何のことだか判らず、ポカーン(゜Д゜) としてましたよ……。本来、あそこで客がどっと吹き出して、リラックスさせて以降の怒濤のようなギャグの世界に投入する、スタートサインのようなものだったのに!! 本 当 に 勿 体 な い !!
・タップダンスがあらかた削除。勿体ない。(これはキャストがタップできないからですよね)
・原作に忠実は良い点でもありますが、台詞回し、ミュージカルナンバーの歌詞が、忠実すぎてセンスがイマイチ。
日本語に翻訳したのは福田さんなんですかね?できれば、プロの翻訳作詞家に頼んで、福田さんが内容を『監修』した方が、もうちょっと音楽に合ったステキな言葉を選んで歌詞にしてくれたんじゃないかと思う。
・アーサー王が下品なスケベオヤジになってしまったのが残念。彼は生真面目で融通が利かなくて使命に一生懸命あがいているところが滑稽なんです。その結果、二幕で歌う『I'm All Alone』が、そういう性格故にいきてくるのです。ただのエロオヤジが歌い出すと、唐突すぎて「なんで?」って思っちゃいますよ。

まだまだ残念だった点を挙げていくとキリがないのでこの辺で切り上げます。
欠点だけ強調してしまったようで申し訳ないですが、あくまで『福田節のスパマロット』という点で見る分には大笑いできることは確かですのでぜひこの機会に観劇をオススメします!

そして、原作である映画もオススメですよ!↓